とにかく熱いファンが多いゲームシリーズ。
2017年に発売された、ニーアオートマタは全世界で出荷&DL本数が600万本以上を記録。
当初発売された作品から11年を経てリマスター、いや新作としてリリースされた作品となっている。
制作スタッフがすごい。
プロデューサーはスクエニの執行役員で、ドラゴンクエストXの初代プロデューサーでもある齊藤陽介氏。ディレクターはドラッグオンドラグーンで猟奇的シナリオともいわれ、良くも悪くも評価の高い(最大限の賞賛の意味です)ヨコオタロウ氏。音楽はMONACAの岡部啓一氏。
実は、音楽についてはThe Game Awards 2021 Best Score and Musicを受賞している。
東京オリンピックの開会セレモニーの入場曲にも「イニシエノウタ」が採用されるなど、世界的にも評価が高い。
さて、ヨコオタロウさんの作品は「基本的にダークなストーリー」が多く、人間の奥深くに潜む闇の描写というか、主人公ですら抱える内なる葛藤などをテーマにする傾向が多い。
今回のタイトルでも「キャッチコピー」が「遠い約束。千年の嘘。」前作も「一人のために、全てを滅ぼす」なのですが、ストーリーはとにかく重いです。
プロローグがドラッグオンドラグーンという作品で、救いのないエンディングを迎えた後の世界の物語。新宿に謎の生命体が現れ、墜落してから謎の奇病と塩が降り注ぐ世界になってしまい、そこに生き残った少年(ゲシュタルトではここが父親になっている)と妹がどうなっていくのかを追体験していく。
1.22…というタイトルも意味が深く、この数値をルートで表すと、ルート1.5となる。
この作品は全作品のリマスターと呼べるが、新要素として登場人物のボイス収録が全編で挿入されていたり、前作では描き切れていない新シナリオや新解釈が追加されているので、ルートの変化した物語という表現になっているといえる。
物語と音楽、両方の重さがプレイヤーの感情を揺さぶってくる。
綺麗な景色、荘厳な音楽。そして、救いようのない物語。
何でそこまで辛い思いをしているのに、最後まで求めてしまうのか。
どこかに救いを求めて進めていく…そんな感情だろうか…。
最も最後のエンディングを迎えたとき、結局救われていないのでは?という結論が多い中で、自分は少しでも救われたのではと思いたい気持ちでゲームを終えることができた。
この続きがニーアオートマタという作品に引き継がれていくわけだが。
どちらもプレイしてもらいたい。それしかいえない。
自分はこの闇深い世界に飲み込まれた住人の一人といえる。
NieR Replicant(PS3&PS4)
kenmi